自作詩 わからない
わからない
現実を見えなくするには
わかったと思えばいい
わかったと思えば
物事は止まる
限定される
確実にしたければ
誰かとこれをすればよい
二人のわかったは
一人では変えにくい
どちらか一人が人に話せば
間違った現実が
現実として一人歩きしてくれる
そうすれば現実を見誤れる
現実を見たいなら
わからないと思うがよい
わからないをわからないとするほうが
現実をありのままに見ている
懈慢
怠りなまける様
何かを解ったつもりになり
満足するよりは
わからないの方が優位である
わからないはわからない
そうっとしておけばよい
そうっとしておけば
いつか硬い結び目が
ほろっととけるように
心に開きを感じる時がくる
そうしたら
幾ばくかはわかったと思えばよい
わからないのわからないを
時とともに色んな角度から見たときに
自ずとやってくる柔らかな閃きを
味わいまた離すとよい
わかったは
やめたと同じ
わからないを楽しめれば
現実を味わうに同じ