古書探訪〜ある愛読家の記録〜

本の魅力に取り憑かれた男の追憶

休日と本と旅と

休日の午後。何もする事がない日。

 

僕はふらりと家を出て、

季節を感じながら、

本屋に向かいます。

 

大抵は自分が住む街の、

行きつけのような、

行きつけではないような、

とにかく好きな本屋に向かいます。

 

時には列車に乗り、

大きな街に出て、

本屋から本屋へと、

徒歩の旅を楽しみます。

 

本屋に行くのは、

あいの日よりも、

社会の活動がひと段落した、

休日が良いですね。

 

あいの日の空気より、

なにか開放的な空気が漂う街を、

身体一杯に感じながら、

のんびり心穏やかに、

本屋に向かうのです。

 

そうしてたどり着いた本屋では、

さながら童心に戻って、

宝探しをするような気持ちになります。

 

でもあまり何も考えずに、

陳列された本を開いては少し読み、

閉じては置いて、また別の棚に移動し、

を繰り返します。

 

そうしていると、

頭の片隅にこびりついて離れない、

雑念や悩み事が、

いつのまにか浮き剥がされ、

本と僕だけの世界が広がっていきます。

 

そんな中でこれはと思うような、

何か心が惹かれる本を幾冊か見繕い、

その中から一冊、

家に連れ帰りたい本屋を選ぶのです。

 

今日一緒に帰れなかった本たちとの

別れを惜しみつつ、

またの再会を約束しつつ、

約束を忘れるようないい加減さで、

僕は一冊の本と巡りあいます。

 

今日はこちらの本が僕のお供に

なってくれました。

 

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淡々とした日々が、

淡々と変わらずに、

本という存在のおかげで、

幸せを運んできます。

 

そんな生活が、

僕は大好きです。